予定より、もう少しシンガポールにいるという選択

――「移住すること」より「居心地の良さ」を優先するという判断

最近、少しずつ自分の考えが変わってきた。
当初は、ポルトガルのビザが取得できたら移住する。あるいは、ポルトガルでなくても数年以内にはマルタやイタリアを目指す。そんな青写真を描いていた。

ヨーロッパでの生活。
歴史ある街並み。
EUの長期居住権。

それらは今でも魅力的だし、選択肢から消えたわけではない。
ただ、最近ふと立ち止まって考えると、

予定より、もう少しシンガポールにいた方が良いのではないか

そんな気がしてきている。


家族全員にとっての「快適さ」

理由はシンプルだ。
僕にとっても、子供にとっても、そして奥さんにとっても、シンガポールでの居住がとても快適だからだ。

治安が良い。
政治が安定している。
インフラが整っている。
食事の選択肢が広く、医療へのアクセスも良い。
天災がほとんどない。

特別に派手な刺激があるわけではないが、「日常を安心して回せる」という点において、これほど完成度の高い国はそう多くない。

実際に住んでみて、「来て良かった」という気持ちは、時間が経つほど強くなっている。


EPビザが許すなら、ずっと居たいかもしれない

以前は、「いずれは次の国へ」という前提で考えていた。
だが今の正直な気持ちとしては、

シンガポールのEPビザが許すなら、ずっと居たいかもしれない

とさえ思える。

もちろん、将来の制度変更やビザ更新の問題はある。
だが少なくとも「自分から急いで離れる理由」は、今のところ見当たらない。

ヨーロッパに行きたければ、行けばいい。
それも「移住」という形でなくてもいい。


「住む」と「行く」は、必ずしも同義ではない

ヨーロッパに行く=移住、である必要はない。
この点も、最近は強く感じている。

子供の学校の休み期間を使えば、1ヶ月、2ヶ月、あるいはそれ以上、ヨーロッパで過ごすこともできる。

  • 夏休みにポルトガル

  • 冬にイタリア

  • 数年後にマルタで長期滞在

そうした「行き来する生活」も、十分に現実的だ。

移住とは、生活の拠点を一気に切り替えることだけではない。
拠点を保ったまま、世界と付き合うという形もある。


EU長期居住権は「急がなくていい」

EUの長期居住権についても、考え直している。

もし本気でEUの長期居住権を目指すのであれば、必ずしも今すぐ動く必要はない。

例えば、子供が中学校に上がるタイミングで移住したとしても、

  • 中学校期間

  • 高校期間

この合計で、必要とされる5年間の滞在要件は十分に満たすことができる。

そう考えると、「今はシンガポール、将来はEU」という二段構えも、かなり現実的に見えてくる。


子供にとっての「準備期間」という意味

この選択は、子供にとっても悪くないと思っている。

シンガポールにいる間に、

  • 日本語

  • 英語

  • 中国語

この3つに自然に触れられる環境がある。

加えて、食文化への適応力も身につく。
多国籍な環境に慣れる時間も取れる。

その上でヨーロッパへ移住すれば、言語・文化の耐性を持った状態で新しい環境に入れる

これは、いきなり移住するよりも、子供にとって負荷が少ないのではないかと感じている。


資産形成という現実的な視点

もう一つ、無視できないのが資産形成の観点だ。

僕にとって、シンガポールに滞在を続けるということは、

それだけ資産を成長させる機会を確保できる

という意味を持つ。

税制、金融インフラ、自由度。
これらを考えると、資産形成という点でシンガポールは非常に優れた環境だ。

移住は、人生を豊かにするための手段であって、資産を削るためのものでは困る。

であれば、資産をしっかり育てられる場所に、もう少し留まるという判断も、十分に合理的だと思う。


「どこに住むか」より「どう生きるか」

ここまで考えてくると、大切なのは国名そのものではない気がしてくる。

  • シンガポールか

  • ポルトガルか

  • マルタか

  • イタリアか

それよりも、

家族が安心して暮らせるか
子供が伸び伸び育つか
自分が納得できる時間を過ごせるか

この方が、ずっと重要だ。

シンガポールは、少なくとも今の僕たち家族にとって、その条件を高い水準で満たしてくれている。


移住は「目的」ではなく「選択肢」

以前は、「移住すること」自体が一つの目標のようになっていたかもしれない。

だが今は違う。

移住は目的ではない。
あくまで、人生をより良くするための選択肢の一つだ。

選択肢である以上、使わないという選択もあっていい。


もう少し、ここにいようと思う

今のところの結論は、とてもシンプルだ。

  • シンガポールは魅力的

  • 家族全員にとって快適

  • 子供の教育環境としても優れている

  • 資産形成の機会も大きい

だから、

予定より、もう少しシンガポールにいようと思う

それだけだ。

未来の選択肢を閉じるわけではない。
ヨーロッパも、EU居住権も、いつでも視野に入れておけばいい。

今は、「ここで積み上げられるものを、しっかり積み上げる時期」そんな気がしている。

シンガポールに来て良かった。
そして、もう少しここにいられるなら、それはとても幸運なことだと思っている。