僕がシンガポール株を気に入っている理由

――高配当・安定性・法人基盤という現実的な投資戦略

投資の世界では、どうしても「どこが一番儲かるか」「どの市場が最も成長するか」という話になりがちだ。
アメリカ株の成長性、新興国の爆発力、テック株の夢――どれも魅力的ではある。

だが、僕自身が今、最も気に入っている株式市場はどこかと聞かれれば、迷わずシンガポール株と答える。

理由は単純だ。
派手さはないが、極めて現実的で、生活と直結する投資ができる市場だからだ。


落ち着いた市場と高配当の大型株

シンガポール株の第一印象は、とにかく落ち着いているということだ。

値動きは比較的穏やかで、短期間で何倍にもなる銘柄はほとんど存在しない。

だがその代わり、

  • 高配当を安定的に出す

  • 業績が大きく崩れにくい

  • 長期保有を前提とした設計

こうした特徴を持つ大型株が非常に多い

銀行、通信、インフラ、物流、不動産関連。
いずれも生活や経済活動に直結する業種が中心で、景気循環の影響は受けつつも、ゼロになることはまずない。

これは、投資対象として非常に扱いやすい。


国家に支えられた企業群という安心感

シンガポール株を語る上で欠かせないのが、国との距離感だ。

多くの大型企業は、シンガポールという国家の制度、規制、方針のもとで事業を行っている。

これは一見すると「規制が多い=自由がない」と捉えられがちだが、投資家目線で見れば、むしろ逆だ。

  • 無秩序な競争が起きにくい

  • 価格破壊が起きにくい

  • 新規参入のハードルが高い

つまり、既存企業の地位が守られやすい構造になっている。

新規参入が難しい業界が多いということは、それだけ既存企業の安定性が高いということでもある。


規制は「掘り」であり、モートになりうる

投資の世界では「モート(堀)」という概念がよく使われる。
競争優位性を守るための障壁だ。

シンガポールの大型株を見ていると、この「規制そのもの」が一種のモートとして機能しているように感じる。

  • ライセンス制

  • 国家戦略との整合性

  • 厳格なルール

これらがあるからこそ、一時的な流行や無謀な競争に振り回されにくい。

投資対象としては、非常に「眠れる」安心感がある。


株主優待がないというシンプルさ

日本株に慣れている人からすると、シンガポール株は少し味気なく感じるかもしれない。

株主優待は基本的に存在しない。
企業から株主に提供されるものは、ほぼ配当のみだ。

だが僕は、これをむしろ評価している。

  • 優待目的の歪んだ保有が起きない

  • 株主還元の中心が明確

  • 配当という形でストレートに受益できる

企業と投資家の関係が、とてもシンプルだ。


シンガポールドルという通貨の安定性

もう一つ重要なのが、通貨の問題だ。

シンガポールドルは、長期的に見て安定、あるいはやや強めに推移している通貨だと考えている。

極端なインフレもなく、通貨安によって配当の価値が削られるリスクも比較的小さい。

これは、

配当を生活費や給与に充てる戦略

を考える上で、非常に重要な要素になる。


法人での保有という戦略的意味

僕は、これらのシンガポール株を自身の法人で取得していくという方針を取っている。

理由は明確だ。

  • 法人の資産基盤を強固にできる

  • 継続的な配当収入が見込める

  • キャッシュフローの予測が立てやすい

投資の目的は、資産額を増やすことだけではない。
安定して回り続ける構造を作ることだ。


配当で給与を賄うという考え方

法人で高配当株を積み上げていくことで、得られる配当金を僕自身の給与に充てることができる。

これは、

  • 法人 → 個人への自然な資金フロー

  • 事業実態を伴った収益

  • 継続性のある構造

という意味を持つ。

単なるキャピタルゲイン頼みではなく、
**実際に「回っているお金」**で生活を支える。

この感覚は、精神的にも非常に安定する。


EPビザ更新との相性の良さ

シンガポールで生活する以上、EPビザの更新は無視できないテーマだ。

法人が、

  • 継続的な収益を上げ

  • 安定した給与を支払っている

という状態は、EP更新においてもプラスに働くと考えている。

つまり、

高配当株戦略は、投資であると同時に、居住戦略でもある

ということだ。


爆発力はないが、壊れにくい

正直に言えば、この戦略で一気に資産が何倍にもなる可能性は低い。

だが、

  • 大きく崩れにくい

  • 想定外のストレスが少ない

  • 長期で積み上げやすい

というメリットは非常に大きい。

僕自身、「夜ぐっすり眠れる投資」を重視している。


成功するかどうかは、まだ分からない

もちろん、この高配当戦略が最終的に成功するかどうかは、蓋を開けてみなければ分からない。

  • 市場環境の変化

  • 規制の変更

  • 企業の業績悪化

リスクがゼロになることはない。

だが少なくとも、

今の自分を置いている状況、価値観、人生設計においては最適解に近い

そう感じている。


僕にとっての最適解

  • シンガポール株は落ち着いている

  • 高配当の大型株が多い

  • 国家に支えられた安定性がある

  • 法人基盤を強化できる

  • EPビザ更新との相性も良い

派手さはない。
だが、生活と資産形成が一本で繋がる。

それが、僕がシンガポール株を気に入っている理由だ。
投資の攻めは個人でする。

最終的にこの戦略がどうなるかは、まだ分からない。
だが少なくとも今は、自分が納得して続けられる投資を選べている。

それだけで、十分価値があると思っている。