2024年からの大きな制度変更
イタリアのフラットタックス制度は、富裕層や投資家の間で注目を集めてきました。これまで(2024年まで)は年間10万ユーロの定額課税を選択することで、そのほかの海外所得や金融資産課税が免除されるという、非常に魅力的な仕組みでした。
しかし、2025年からは制度が変更され、**年間20万ユーロ(約3,400万円)**の支払いが必要となりました。
10万ユーロから20万ユーロへ、ちょうど倍額の負担となったため、多くの人にとっては「高すぎるのでは?」と感じられる数字でしょう。
どのラインで「有利」になるのか?
単純比較として、他国の課税水準をおおよそ30%程度と仮定すると、以下のように考えられます。
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30%課税の国で1億1,334万円の所得 → 税額は約3,400万円
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イタリアでフラットタックスを選んだ場合 → 一律約3,400万円
つまり、年間所得が1億1,334万円を超えるあたりからイタリアのフラットタックスの方が有利になり、それ以上所得が増えれば増えるほど相対的な節税効果が大きくなります。
「眼が点になる」ような金額感ではありますが、所得水準次第で評価が逆転するのです。
単なる節税以上のメリット
フラットタックスの魅力は「定額で済む」というだけではありません。
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海外金融資産課税の免除
イタリアには、海外に金融資産を持っているだけで課される資産課税がありますが、フラットタックスを選ぶことで免除されます。 -
海外資産公開義務の免除
通常は海外資産を細かく報告する必要がありますが、この制度を選択すれば公開義務を回避できます。 -
税制変更リスクの回避
イタリアの税制は複雑で頻繁に改定されることでも有名ですが、フラットタックスを選ぶことでそうした不確実性に振り回されずに済みます。
これらの点は、単に「高いか安いか」だけでは測れない価値といえるでしょう。
所得が高ければ高いほど魅力的
通常の課税方式では、所得が増えるとその分税額も比例して増えていきます。しかしフラットタックスは固定額。
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所得が低め → 他国の方が有利に見える
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所得が高め → イタリアの方が圧倒的に有利になる
つまり、高所得者ほどこの制度の恩恵を享受できる仕組みになっています。年間20万ユーロという数字だけを見れば確かに大きな負担ですが、「所得を高めるほどコストの比率が下がる」という点では、むしろ「勝負できる制度」と言えるのではないでしょうか。
イタリアのフラットタックスは2025年から年間20万ユーロに引き上げられました。一見すると高額な制度に見えますが、海外資産課税や公開義務の免除、税制変更リスクの回避といった副次的メリットは非常に大きいものです。
そして何より、所得が1億円を超える水準からは、他国の通常課税よりも有利に働き始めます。高所得者にとっては、イタリア移住の現実的な選択肢になり得るのです。
👉 本記事は一般的な情報に基づいた個人の考察です。実際の税務判断を行う際は、必ず現地の税理士や法律専門家にご相談ください。