ポルトガルのゴールデンビザは「詐欺的」な遅延?
ポルトガルのゴールデンビザ制度は、投資によって居住権を得られる仕組みとして人気を集めてきました。しかし実際には、申請から発給までのプロセスがまるで「詐欺」と思えるほど遅れているのが現状です。
私自身も4年前に申請しましたが、いまだにビザの発給を受けていません。
この間に制度は大きく変更され、2023年末以降、まだ居住していない申請者は**優遇税制(NHR: Non-Habitual Resident Regime)**の適用を受けられなくなりました。従来のNHR制度は海外所得を非課税とするもので、多くの投資家や富裕層を引きつけていた大きな理由のひとつです。
しかし現在は、海外所得の扱いが大きく変わっています。
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就労所得など → 総合課税対象
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金融所得 → カテゴリーE課税(28%)
さらに、暗号資産については2023年から「出国税」が導入され、これも該当者にとっては大きな負担となり得ます。
つまり、ゴールデンビザを待っている間に税制上の優遇が消滅してしまい、投資の魅力が大きく損なわれているのです。
対照的なイタリアの投資ビザ
一方、イタリアには「投資ビザ」と呼ばれる制度があります。これはポルトガルのゴールデンビザに似ていますが、申請から発給までが現実的な期間で進むという点が大きな違いです。調べた限りでは、必要書類や資金の準備を除けば、おおよそ4か月ほどで発給まで至るケースが多いようです。少なくとも現状では、ポルトガルのような長期遅延は見受けられません。
加えて、イタリアには魅力的な税制としてフラットタックス制度があります。
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2024年の改正で年間税額は10万ユーロ → 20万ユーロに引き上げられましたが、依然としてメリットは大きい。
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海外資産にかかる複雑な金融資産税を包括できる。
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海外資産の申告義務を回避できる。
イタリアの税制は複雑で有名ですが、この制度を利用すれば税務処理をシンプルにできるため、一定以上の所得や資産を持つ人にとっては有利に働く可能性が高いでしょう。
ビザは「水物」だからこそバックアップが必要
今回のポルトガルの事例が示すように、ビザ制度は「水物」です。
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制度そのものが突然廃止される。
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発給キャパシティを超えて人気化し、処理が追いつかなくなる。
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税制や条件が変更され、当初の魅力が失われる。
こうしたリスクは常につきまといます。だからこそ、ビザ取得にはバックアップ案を複数用意しておくことが重要です。ポルトガルを軸に考える人も、イタリアや他国の制度を同時に検討しておくことで、不測の事態に備えることができます。
ポルトガルのゴールデンビザは、いまや「詐欺的」とも言えるほどの遅延が常態化しており、税制優遇も失われました。対照的に、イタリアの投資ビザは現状スムーズに発給されており、フラットタックスによる明確な税制メリットも存在します。
移住や投資を考える際には、「制度の魅力」だけでなく、「実際の発給スピード」や「将来的なリスク」を含めた総合判断が欠かせません。複数の選択肢を持ち、柔軟に動ける体制こそが、これからの時代の移住戦略に求められるのではないでしょうか。
👉 このブログ記事は、移住を検討している投資家や資産家に向けての参考情報であり、法的・税務的な助言を目的としたものではありません。最終的な判断にあたっては、必ず現地の専門家にご相談ください。