2021年に申請したポルトガルのゴールデンビザ。多くの人が「ヨーロッパでの自由な暮らし」や「NHRによる税制優遇」を夢見てこの制度を活用してきました。私も例外ではなく、まとまった金額を投資し、移住準備を進めていました。
しかし、2025年5月現在になっても、ビザの承認はされないまま。申請から4年が経過しようとしています。いくら何でも遅すぎる。にもかかわらず、その間にNHR制度は内容が改悪され、申請資格すら失ってしまったというのが現実です。
かつてのNHR制度──幻となった10年の税制優遇
旧NHR(Non-Habitual Resident)制度は、
- 配当所得
- 資産所得
- 国外所得 に対して10年間の税優遇を提供する制度で、ポルトガル移住者にとって最大の魅力の一つでした。
しかしその制度は2024年末で打ち切られ、新NHRは内容が大きく変更され、実質的なメリットが激減。 資産所得・国外所得をメインに生活している人間にとっては、新制度ではほとんど意味をなさず、**”制度の梯子を外された”**ような印象を受けています。
申請遅延は利用者の責任ではないはず。それにも関わらず、待っている間に最も重要な制度の恩恵が奪われたという事実は、個人的には“国家的詐欺”にすら感じられるのです。
それでも、ポルトガルは良い国──だからこそ悩ましい
とはいえ、ポルトガルという国そのものは素晴らしい部分も多い。
- 食事はおいしく、物価も欧州では比較的手頃
- 気候は温暖で人も穏やか
- 海に近く、歴史と文化に溢れる
移住先としてはとても魅力的です。しかし、ころころ変わる税制や、暗号資産保有者に対する出国税の導入、遅々として進まない公的処理──こうした不安定さを考えると、影響が大きい立場の私としては、
もはやポルトガル移住はリスクの塊でしかない
というのが率直な感想です。
では、次の一手は?──欧州の中での別ルート模索
ポルトガルに代わるヨーロッパ移住の候補地として、私は以下の国々を見ています:
- 税制で検討すべき国:モナコ、イタリア(定額課税)、マルタ(非ドム制度)、ギリシャ(定額課税)
- 治安・生活の安定で重視する国:モナコ、マルタ
今後、税制・治安・制度安定性の3つが揃った場所を見つけられるのであれば、欧州への移住という選択肢自体は、まだ完全には捨てていません。
そのためにも、常に制度の動向をウォッチし、自分の資産構造やライフスタイルに合う国を冷静に見極めていきたいと思います。
ポルトガルは“夢の地”ではあるが、“制度の罠”にもなり得る。
この教訓は、今後海外移住を検討する全ての人にとって、重要な示唆となるのではないでしょうか。