値動きに「理由」を付ける仕事
証券アナリストやコメンテーターの仕事の一つは、日々の株価や為替の動きに理由を与えることです。
「FRB議長の発言が嫌気され株価下落」
「中国の景気指標を好感して上昇」
「利益確定売りに押される展開」
しかし、実際にはこうした解説は後付けの説明に過ぎないことが多い。数値の変動に必ずしも単一の明確な理由など存在しないのに、無理やりストーリーを作り出しているにすぎません。
僕自身の経験──「なるほど」の先にある虚無
投資を始めた当初、僕も毎日のようにアナリストのレポートやニュース解説を読んでいました。
その場では「なるほど」と思えるものの、ふと冷静に考えると常に「だから?」という疑問が残る。
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記事を読んで知識が増えた気にはなる
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しかし、それを読んだからといって投資行動に直結しない
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長期投資の判断においては、ほぼ無意味
そうした違和感が積み重なり、ある時から僕は日々の記事を読むこと自体をやめました。
小事に囚われ、大事を見失う
これは「小事にこだわれば大事を見失う」という格言にも通じます。
マーケットの本質的な動きは、日々の数%の上下ではなく、数年単位で形成される大きな波にある。
ところが、毎日のニュースに心を動かされると、
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長期の視点を保てない
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本来の投資戦略を崩してしまう
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無駄に感情を消耗する
こうして本質から遠ざかってしまうのです。
投資家にとって本当に大切なこと
では、投資家にとって大事なのは何か。
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自分の投資軸を定めること:短期的な変動ではなく、長期的な成長や価値に基づく判断。
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雑音を切り捨てること:99%の情報は投資に不要。必要なのは1%の本質。
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大局を見続けること:経済サイクル、人口動態、技術革新など、長期的に資産価格を動かす要因を見極める。
アナリストの記事を追うことは、むしろこれらを見失わせるリスクが高いと僕は考えています。
情報の洪水に飲み込まれないために
証券アナリストやコメンテーターが毎日記事を書くのは、市場には常に「説明」が求められるからです。
けれど、投資家がそのすべてを読む必要はない。むしろ読まない方が冷静でいられる。
僕自身の結論はシンプルです。
「日々の記事を追いかけるのは99%無駄。長期投資家に必要なのは、静かな目と揺るがない軸だ」。