氷河期世代は面構えが違う──理不尽を乗り越えた強さと可能性

就職氷河期──それは、多くの若者が理不尽な現実に直面し、必死にもがきながら道を切り開こうとした時代でした。僕自身もその時代を生き抜いた一人ですが、この世代が味わった厳しさは尋常ではありませんでした。

就職活動の際には完全なる買い手市場で、面接に進むだけでも狭き門。内定をもらっても、給与は低く、職場にはパワハラやセクハラが蔓延していました。僕自身はセクハラを経験する立場ではありませんでしたが、当時の職場環境の過酷さは、現在の若い世代が想像する以上のものでした。

それでも、そんな過酷な環境で育った就職氷河期世代は、いわば打たれ強さを持つ「精鋭」のような存在です。理不尽に耐え、自力で道を切り開いてきたこの世代には、ほかの世代とは違う独特の「面構え」があります。


1. 氷河期世代が直面した理不尽と強さ

1-1. 就職氷河期の過酷さ

1990年代後半から2000年代初頭にかけて、日本はバブル崩壊後の経済不況の中にありました。企業は採用を大幅に絞り込み、就職活動は厳しい競争が続きました。一部の面接は「実質採用する気がない」形だけのものも多く、学生たちは徒労感を抱えながら活動を続けざるを得ませんでした。

入社後も待遇は厳しく、給与は低水準、職場の人間関係も今のように配慮の行き届いたものではなく、厳しい環境に耐える力が求められました。

1-2. 強い独立心と自己防衛意識

そんな環境下で社会に出た氷河期世代は、会社に対するロイヤルティが他の世代に比べて低いという特徴があります。終身雇用が崩壊し始めた時期に社会に出たこともあり、「自分で自分のキャリアを守るしかない」という独立心が自然と育まれました。


2. 氷河期世代の「チャンスを掴む力」

苦しい時代を生き抜いた氷河期世代ですが、振り返ってみると、その時代には意外と多くのチャンスがあったとも言えます。環境の厳しさがあったからこそ、彼らは自力でチャンスを掴む力を身につけていました。

2-1. インターネットと技術革新の初期

就職氷河期の頃、インターネットが急速に普及し始めました。これにより、新しい産業や働き方の可能性が生まれ、情報収集や自己研鑽の手段が広がりました。ブログや個人サイト、eコマースが黎明期を迎えたことで、独立や副業といった選択肢を模索する人も増えたのです。

2-2. 投資環境の変化

  • 為替市場の激変:2003年頃にはドル円が約130円と円安基調でしたが、2011年には76円台の超円高を記録。このような振れ幅の大きな時期に投資に挑んだ人々は、時代の流れに乗るチャンスを掴むことができました。
  • アベノミクスと株式市場:2013年から始まったアベノミクスによる株高や円安の恩恵を受けた人も多く、投資や資産運用に目を向けた氷河期世代は、その機会を最大限活用しました。
  • 暗号資産の勃興:ビットコインの初期段階に目をつけた人々も、この世代には存在しました。大胆な挑戦ができる独立心が、氷河期世代を支えていたのです。

2-3. 不動産投資の黎明期

不動産価格が安定していなかった時期、不動産投資を始めた人もいました。当時はリスクを取ることへの心理的ハードルが高い時期でしたが、それをチャンスと見た人々は大きな成功を手にしたケースも多かったでしょう。


3. 「諦めない力」が生む「面構え」

氷河期世代には、「諦めたらそこで試合終了」という価値観が深く刻み込まれています。これは、厳しい時代を生き抜いたからこその信念です。諦めることは、チャンスを自ら摘むことと同じであることを彼らは身をもって知っています。

3-1. 自分でチャンスを作る力

氷河期世代は、誰も助けてくれない環境の中で、どうにか自力でチャンスを掴む術を学びました。そのため、独立して事業を始めたり、新しい投資分野に挑戦したりする「挑戦力」が備わっています。

3-2. 強靭な精神力と柔軟性

苦境を乗り越えた経験は、彼らの精神を強くしました。一方で、時代や環境の変化に適応する柔軟性も兼ね備えています。これこそが「面構えが違う」と言われる所以ではないでしょうか。


4. 氷河期世代の黄金時代

苦しい時代を乗り越えた氷河期世代は、その経験を活かしてチャンスを掴んできた人もいます。そして今、この世代が社会の中核を担い、新しい価値観や仕組みを生み出す原動力となっています。

黄金時代を作った背景

  • 勉強と準備の期間:厳しい状況に耐えながら学び続けたことが、時代のチャンスを掴む礎となりました。
  • 時代の転換点に立ち会う幸運:不遇な環境が逆に時代の流れを鋭く読む力を養い、新しいチャンスを掴む準備ができていたのです。

氷河期世代の価値とは何か

氷河期世代は、厳しい時代の中で「強さ」と「柔軟性」を身につけた世代です。その「面構え」は、単なる不遇の産物ではなく、困難を乗り越えた者にしか得られないものです。

そして、この世代は運やチャンスを掴む力を持つだけでなく、未来を切り開く可能性も秘めています。不遇を経験したからこそ、挑戦し続けることの大切さを知り、社会の新しい価値を生み出す力を持つ──これが氷河期世代の真の強みと言えるでしょう。